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スケールメリットが出る大型物件の方が利回りは高くなりやすい。

今年から政策金利が上がり、どの金融機関も不動産融資に対して厳しくなりました。

 

土台に乗る個人属性のハードルが上がり、仮に土台に乗ったとしても1棟目は金額等の条件があるケースが増えました。

その条件でよくあるのが、『一棟目は1億円前後まで』という融資金額の上限です。

 

以前であれば、1.5億円、2億円まで融資を引けるような属性の方が1億円前後までと言われることは本当に増えましたね。

そういった背景もあり、1億円前後の物件の需要が高まった感覚があります。

 

1億円と聞くと高額ですが、一棟収益不動産としては小さい部類に入ります。

小さい物件で高利回りの物件が企画できれば良いのですが、実はなかなかそうもいかず、金額が小さい物件ほど物件価格に対するキャッシュフローは出づらくなります。

 

本日は、その理由はお話したいと思います。

 

結論からいうと、スケールメリットが働かないからです。

スケールメリットとは、事業の規模を大きくすることで得られる「経済効率の向上」「生産性の向上」「コストの削減」といったメリットのことです。

つまり、物件は大きくなればなるほど、スケールメリットが働き、低コストで取得できる=高利回りになるということです。

 

不動産の場合、価格の内訳は土地代金と建物代金に分けられますが、どちらもスケールメリットが働きます。

 

例えば、土地の場合、最も価格が高いのは一般の方もマイホーム用地として購入することができる小規模の土地です。

一般の方以外にも、弊社のような中小の不動産会社、さらに大手の不動産会社にも需要がある土地です。

不動産価格は需給バランスに完全に依存しているので、需要が高い=価格が高くなるということになります。

 

反対に、何百坪〜何千坪の大規模の土地は、一般の方はおろか、弊社のような中小企業ではとても購入することはできません。

このような土地は大企業しか購入資金がないので必然的に需要は数社に絞られます。

皆さんも何十棟にもおよぶ新築一戸建ての開発現場を見かけたことがあると思いますが、そのほとんどが住友や三井、三菱などの財閥系不動産会社か、飯田グループなどの上場企業だと思います。

購入できる会社が限られるので、必然的に坪単価は低くなります。

 

同じように建築費もスケールメリットが働きます。

例えば、同じ木造アパートでも、9戸のアパートよりも18戸のアパートの方が一度に多くの木材を発注することができるので、当然スケールメリットが働き、建築単価は下がる訳です。

 

上記のようなスケールメリットに加えて、冒頭でお話したように1億円前後の物件の需要が高まっているのでさらに価格相場は上がるかもしれません。

 

つまり、結論をいうと、ロットが小さくて利回りの高い物件(ここでいう利回りが高いとは、ロットが大きい物件と比較してという意味)は理論上不可能ということになります。

この論理を理解すると、不動産戦略に活かせるかもしれません。

 

例えば、同じ3億円の規模まで拡大するにしても、1億円の物件を3棟保有するのと、1.5億円の物件を2棟保有するのでは、後者の方がキャッシュフローが生まれやすいということになります。

ネガティブな真実をお伝えすると、もし価格の上限を決めるのであれば、ある程度利回りや立地などの妥協は必要になります。

 

不動産投資はインカムゲインを得ることが最大の目的です。

つまり、利回りが高い物件を取得するということが最大の目的になる訳です。

 

よって、私は自分の融資枠のなるべく上限の物件を取得するようにお勧めしております。

とはいえ、2億円を超えるような物件になると、売却時に購入できる投資家が極端に減ってしまうので売却しづらくなるというデメリットが出てきます。

総合的に考えると1.5〜2億円未満の物件が最もサラリーマン投資家に向いていると思います。

 

今後の戦略のご参考にしていただければ幸いです。

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