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出口戦略は金融機関をベースに考える。(築30年の場合)

前回につづいて、今回は築30年の物件を売却することを想定します。

(前回の記事を読んでない方は、必ずそちらからお読みください)

 

同じように、まず築30年の物件にどの金融機関が融資をするかを考えます。

有力なのが、三井住友トラストL&F(以下、L&F)、静岡銀行、スルガ銀行などです。

ここではL&Fを想定します。

 

L&Fの金利は約3%です。

築古を得意としている金融機関ですので、築30年の物件に対しても融資期間30年で融資可能です。

 

年間家賃下落率1%で計算すると、新築当初の家賃収入が800万円の物件でも30年後には約590万円に下落します。

 

つまり、30年経過後は、金利3%・融資期間30年で資金調達可能な、家賃収入590万円の築古アパートということになります。

 

さらに返済比率をもとに売買価格を逆算します。

一般的に、優良物件(新築の場合)の返済比率は50%未満ですが、今回は築古物件なのでストレスをかけて40%で計算します。

590万円の40%は236万円ですので、金利3%・融資期間30年の条件で年間返済額が236万円以下になるように逆算すると、売買価格は4,660万円になります。

 

つまり、築30年経過後は4,660万円(利回り12.66%)で売却可能ということが想定できます。

 

30年経過後は残債は0ですので、売買代金4,660万円のすべてが利益になります。

さらに、それまでのキャッシュフローも合わせるととても大きな金額になります。

 

おさらいすると、1億円・利回り8%の新築アパートを金利1%・融資期間30年で購入すると、築10年の時には7,590万円(9.48%)、築30年の時には4,660万円(12.66%)で売却が可能ということが想定できました。

9.48%(築10年)、12.66%(築30年)という数字は、不動産投資を少し勉強している方であれば、すぐに売れる水準ということが分かると思います。

 

金融機関の条件は想定時の水準で想定するので、必ずこの計算が当てはまるとは限りません。

融資情勢が想定時より悪くなれば、売買価格は想定より低くなります。

しかし、反対に想定時より融資情勢が良くなれば、もっと高値で売れる可能性も十分にあります。

 

このように、不動産投資は論理的に数千万円、場合によっては数億円の利益を出すことができる投資です。

インカムゲインを目的とした長期保有の不動産投資では、売却のことを考えすぎる必要はありませんが、考える力があれば利益が最大となるタイミングでの売却も可能になります。

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