不動産での詐欺は他人事ではない。 | ニュース | 一棟物の不動産投資は株式会社B・Effect Asset | 実績多数

Netflixの『地面師たち』がすごく面白いらしいですね。

実際にあった積水ハウスの大規模詐欺事件がモデルとなっているドラマです。

ちなみに、積水ハウスはこの事件で５０億円超を騙し取られたとされています。

投資家の皆様にはこのような詐欺行為は決して他人事ではないです。

実は、不動産業界ではさまざまな詐欺行為が実際に行われています。

最も多いとされる詐欺が『手付金詐欺』です。

手付金詐欺とは、手付金を支払った後、不動産業者と連絡が取れなくなるといったものです。

悪徳業者は、同じ物件で多くの投資家から手付金を支払わせ、その後姿をくらまします。

私も実際に何人もの投資家からこの被害の相談を受けたことがあるので、今でも横行しているものと思われます。

中古物件の場合、『入居状況詐称詐欺』も多いです。

これは実際には入居がない物件に一時的に人を住まわせ、投資家への引き渡しが終わった後に退去させるといった詐欺です。

満室で購入したものの、引き渡し直後に全空室になってしまい、資金が回らなくなってしまったということがないように事前に必ず調査しましょう。

具体的には、まずは賃貸借契約書を確認すべきです。

しかし、賃貸借契約書ははっきり言って簡単に偽造できてしまいますので、これだけでは当然不十分です。

必ず現地に行くようにしましょう。

満室のはずなのに部屋にカーテンがない、いつ行ってもシャッターが降りている、電気がついていない、集合ポストにチラシが散乱している、生活感がない、共有部部分にゴミが散乱している等、本当に入居者がいれば感じることがない違和感を感じたら注意が必要です。

本当に満室でも、実際の家賃と提示された家賃が違うということもありえます。

例えば、実際には５万円の家賃にも関わらず、不動産業者が賃貸借契約書を改ざんし、６万円や７万円など実際の家賃より高く見せる詐欺行為です。

先述したように、賃貸借契約書はいくらでも偽造できてしまうのでこれを確認するだけでは不十分です。

管理会社が発行している入出金明細を確認したり、周辺の相場を調査し相場と乖離していないか調べるようにしましょう。

このように不動産業界には２０２４年現在でも詐欺行為が横行しています。

それなのに、なぜその事実が認知されていないのでしょうか？

それは『詐欺は立証することが難しいから』です。

例えば、手付金詐欺に関しては持ち逃げした人物が見つからなければまともに裁判すらできません。

そして、この広い世界で１人の人間を見つけることは非常に難しいです。

もし、運良く見つかったとしても『悪意はなく特別な事情があって連絡ができなかった。騙すつもりはなかった。』と言われてしまえば裁判は長期化するでしょう。

入居状況詐称詐欺も、『たまたま入居者が一斉に退去しただけで事情は知らない』と言われたらどうしようもありませんし、入居者役の人物から『頼まれて一時的に入居した』と言質をとるのはかなり難しいでしょう。

つまり、お互いに無関係と主張されてしまえば、詐欺行為だと立証するのは難しくなります。

このように実際には不動産業界には詐欺行為が横行しているのにも関わらず、立証が難しい為報道されず認知されていないというのが現実です。

つまり、被害に遭ってしまうと泣き寝入りするしかない場合が多いので、自分の身は自分で守るしかありません。

具体的には、手付金を支払ったり、売買契約を締結する前に、売主がどのような不動産業者なのかを可能な限り自分で調べるようにしましょう。

インターネット検索し、HPもないような会社だと警戒が必要です。

会社の設立年月日も一つの判断材料になります。

このような詐欺行為をする人間は、ある程度お金を集めたら姿をくらまし、ほとぼりが覚めた後で代表者や住所を変えてまた法人設立して同じことを繰り返しています。

つまり、不自然に新しい会社には注意が必要ということです。

しかし、設立して数年経っているから大丈夫という訳でもありません。

当初は真っ当な会社だったのに途中から詐欺行為をするようになるということは考えづらいですが、注意すべきは代表者が直近で変わっているケースです。

詐欺行為を働く人間が、信頼を得る為に実績がある会社をM&Aなどで買い取っている可能性があるからです。

代表者が直近で変わっている場合、理由や経緯などきちんと調べることを強くお勧めします。

代表者が以前に前科やトラブルを抱えている場合、代表者指名を検索すれば昔のページがヒットするかもしれません。

併せて、代表者名の検索も行うようにしましょう。

これを読んでいる方は、まずは『詐欺被害なんて他人事でしょ？』という考えを捨てましょう。

詐欺の被害に遭っている方の多くは警戒心のない人です。

警戒心を持つだけでも、ちょっとした違和感を感じるようになります。